思想と歴史
科目・科目群 | 人間総合科学科目・人間と存在 | |||||
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科目名 | 思想と歴史 | |||||
授業形態 | 講義 | 単位数 | 2単位 | 選択・必修 | 選択 | |
配当年次 | 1年次 | 学期 | 前期 | 合計コマ数 | 15コマ | |
コース選択 | 該当なし | 他学科開講科目 | 該当なし | |||
科目責任者(学内連絡教員) | 鈴木 克成 | 学内連絡教員 | 村田 隆史 | |||
科目担当者 | 鈴木 克成 | |||||
身につける力 | 自らを高める力 | |||||
学習キーワード | 教養 |
1.科目のねらい・目標
「哲学」という学問分野が扱う諸問題を広くサーベイすることによって、いかなるテーマと向き合おうとも、前提にまで遡って原理的に問い直す姿勢を身につける。
2.授業計画・内容・方法・準備学習等
1.授業計画・内容 ならびに3.準備学習
第1回講義概要「哲学とは何か?」(プラトン『饗宴』)
(準備学習)哲学することにどんな意味があるのか?(予め標記の問題を考えておく。何を参考としてもよい)
第2回「現実」とは何か?――方法的懐疑(デカルト『方法序説』)
(準備学習)絶対に疑えない確かなものはあるのか? 何か?
第3回世界・宇宙はどうなっているのか?――宇宙論(現代宇宙論)
(準備学習)なぜ宇宙(世界)は、人間に都合よく出来ているのか?
第4回認識とは何か?――認識論(カントの認識論、心の哲学・脳科学)
(準備学習)知識の起源について予め考察しておく
第5回何がほんとうに「ある」のか?――存在論(現代脳科学が明かす意識の役割)
(準備学習)神や運命ってあると思う?
第6回道徳の根拠は何か?――道徳論(ニーチェ)
(準備学習)(なぜ)人は人を殺してはいけないのか?
第7回正義とは何か?(何を正義の基準にすべきか?)その1――最大多数の最大「幸福」(ベンサム功利主義)
(準備学習)トロッコ問題、便乗値上げ問題
第8回正義とは何か?その2――経済的自由(ミル、リバータリアニズムの自由論)
(準備学習)マー君から沢山税金を取るのは正しい?
第9回正義とは何か?その3――政治的(人格的・市民的)自由(カントの道徳論)
(準備学習)ミニョネット号問題
第10回正義とは何か?その4――共同性・規範・美徳(アリストテレスの目的論)
(準備学習)待機児童問題
第11回人間とは何か?――人間論(哲学的人間学、ハイデガーの「世界内存在」、構造主義)
(準備学習)人間とはどんな動物か?
第12回「わたし」とは誰か?――自己論(素顔=仮面モデルとマルチチャンネルモデル)
(準備学習)「ほんとうのわたし」はいるか?
第13回人は一人で生きていけるか?――承認論(コジェーヴの承認論)
(準備学習)人は他者から認められることなしに生きていけるか?
第14回生きるとはどういうことか?――自由論(幼児的万能感、自己決定、ニーチェの生の過剰論)
(準備学習)自由とは何か? (なぜ)自由は大切か?
第15回幸福とは何か?――現代社会論(リスク論)
(準備学習)幸福の条件とは何か?
2.方法
課題(哲学の根本問題)を提示し、考えさせる→参考となる学説や知識の提示→受講後に再度同じ問題と向きあう
3.教科書
毎回講義レジュメを配布予定
4.参考書
毎回講義レジュメ中で示唆する
5.成績評価方法
毎回の小レポート(講義中の課題+講義要点まとめ+受講後の考察の3点を記述)の総点により評価する
6.授業の工夫している点(授業改善アンケート結果やピアレビュー結果から検討した内容等)
ニーチェやサンデル、多宇宙論や脳科学等の最新の科学理論・テクノロジー、さらにはアニメや映画等のサブカル作品といった様々な素材を手がかりに、根本的な問題と向きあう練習を行う。
7.備考(学生へのメッセージ、購入が必要な物品等)
あらゆる学問は哲学を母体とし、その基礎づけの上に打ち立てられたと言っても過言ではありません。幼い頃の知的好奇心を呼び覚まして、一緒に考えてみましょう。各回のレポートによって成績評価を行い、試験期間に試験はしません。従って、欠席がかさむにつれ、単位取得が困難になります。講義の中で考える訓練を行うことが最大の目標ですので、ぜひ、皆勤を目指して下さい。